巻

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巻６　首里(しゅり)大君(おおきみ)、精(せん)君(きみ)愛(がな)し、百度踏揚(ももとふみあがり)君(ぎみ)の頂(いただ)きのおもろ御(おん)さうし

２９８

聞(きこ)え君(きみ)愛(がな)し、　　　　　　　　　　　　　　　　　

「アレ、アレ」　喜(よろこ)べ　妻女(やちよこ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、　　　　　　　　　　　　　　　　

首里(しゅり)モリグスク、

真玉(まだま)モリグスク、

今年(ことし)　果報(かほう)年(どし)、

今年(ことし)　幸(さち)の年(とし)、

２９９

聞(きこ)え君(きみ)愛(がな)し、　　　　　　　　　　　　　　　　　

思(おも)う様(よう)に造(つく)り

世(よ)の上(うえ)に　あります

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、　　　　　　　　　　　　　　　　

いつも　いつも、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、　　　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、　　　　　　　　　　　　　　

３００

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、　　　　　　　　　　　　　　　　

御肝(おぎも)精(せじ)　遣(つか)わし　　　　　　　　　　　　　

沖縄(おきなわ)　田(た)降(お)りして　貢(みつぎ)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３０１

聞(きこ)え君(きみ)愛(がな)し、

精(せじ)　栄(は)えさせれば　　　　　　　　　　　　

精(せじ)こそ　います　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３０２

聞(きこ)え君(きみ)愛(がな)し、

手持(ても)ち縄(なわ)　縫(ぬ)われて

真玉(まだま)　選(えら)び　寄(よ)って来(き)なさい

貫(ぬ)いて　差(さ)し上(あ)げよ

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３０３

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

浦(うら)ごとに　添(そ)いなさい

世(よ)の宝(たから)　前(まえ)に　寄(よ)せなさい

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３０４

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

降(お)りて　降(お)り栄(は)えよ

父(ちち)なる御方(おかた)に

世(よ)の精(せじ)　差(さ)し上(あ)げよ

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

首里(しゅり)モリ　います、

父(ちち)なる御方(おかた)に

世(よ)の精(せじ)　差(さ)し上(あ)げよ

真玉(まだま)モリ　います、

父(ちち)なる御方(おかた)に

世(よ)の精(せじ)　差(さ)し上(あ)げよ

神(かみ)の地(ち)まで鳴(と)響(よ)み、

天(てん)の地(ち)まで鳴(と)響(よ)み、

戦(いくさ)精(せじ)　勝(まさ)りなさい、　　　　　　　　　　

打(う)ち揚(あ)がる君(きみ)の　鳴(と)響(よ)み、　　　　　　　　　　　

踏(ふ)み揚(あ)がる君(きみ)の　鳴(と)響(よ)み、　　　　　　　　　　　

３０５

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

まことに　鳴(と)響(よ)みます

役人(やくにん)　真(ま)民(たみ)　　　　　　　　　　　　　

生(う)み育(そだ)て　下(くだ)さい

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、　

３０６

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

様(さま)美(うつく)しく　酔(よ)わせて

神(かみ)神(がみ)　まじわる　清(きよ)らさ

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

神(の)女(ろ)神女(のろ)は　白(しら)腿(もも)で　あります、　　　　　　　

神(かみ)神(がみ)は　白(しろ)腿(もも)で　あります、　　　　　　　　　

３０７

聞(きこ)え君(きみ)愛(がな)し、

寄(よ)るモリに　いまして

島(しま)が　老(お)いるまでも　居(い)て下(くだ)さい

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

３０８

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

君(きみ)が　祈(いの)るモリに　いまして

島(しま)が　老(お)いるまでも　居(い)て下(くだ)さい

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

３０９

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

これを　見(み)なさい

考(かんが)え　疲(つか)れ遣(や)り

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

島中(しまなか)の年寄(としより)達(たち)、　　　　　　　　　　　　　　　

ざわめきの年寄(としより)達(たち)、　　　　　　　　　　　　　　

３１０

清(きよ)き君(きみ)良(よし)が、　　　　　　　　　　　　

成(な)せる人(ひと)が　御精(みせじ)　　　　　　　　　　　　　

百按司(ももあんじ)　立(た)ち合(あ)う　　　　　　　

成(な)せる君(きみ)良(よし)が、

３１１

清(きよ)き君(きみ)良(よし)が、

まことに　父(ちち)なる御方(おかた)

唐(とう)　宮古(みやこ)

京(きょう)　鎌倉(かまくら)　通(かよ)わせ

成(な)せる君(きみ)良(よし)が、

３１２

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

太陽(てるか)神(わ)を　崇(あが)めて　　　　　　　　　

按司(あんじ)大主(おそい)こそ　　　　　　　　　　　　

末(すえ)　勝(まさ)り　下(くだ)さい

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

首里(しゅり)モリグスク、

降(お)り直(なお)してからは

真玉(まだま)モリグスク、

降(お)り直(なお)してからは

憑(つ)き女(め)　五人(ごにん)に、　　　　　　　　　

降(お)り直(なお)してからは

降(お)り女(め)　七人(ななにん)に、　　　　　　　　　

降(お)り直(なお)してからは

永遠(とわ)行(ゆ)く末(すえ)までも、

３１３

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

島(しま)討(う)つ精(せじ)の高(たか)さ

国討(くにう)ち精按(せじあん)司(じ)大主(おそい)

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え父(ちち)なる御方(おかた)、

鳴(と)響(よ)む父(ちち)なる御方(おかた)、

３１４

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、　　　　　　　　　　　　　

巧(たく)める　役人(ひと)の　　　　　　　　　　

撃(う)ち遣(や)り　去(さ)れ

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

巧(たく)める　役人(ひと)の

３１５

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

降(お)りたいと　いまして

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３１６

聞(きこ)え君(きみ)愛(がな)し、

根石(ねいし)　真(ま)石(いし)の

有(あ)る限(かぎ)り　います

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３１７

聞(きこ)え君愛(きみがな)し、

八千代(やちよ)に　います

鳴(と)響(よ)む君愛(きみがな)し、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３１８

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

愛(いと)しい君(きみ)　気(き)を合(あ)わせて

大(おお)グスク　降(お)りられて

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

愛(いと)しい君(きみ)　気(き)を合(あ)わせて

３１９

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

愛(いと)しい君(きみ)を　見(み)て　勝(まさ)り

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３２０

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

添(そ)えて　掛(か)けて

凪(な)ぎなさい　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３２１

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

上(のぼ)り　見(み)て　勝(まさ)り

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

首里(しゅり)モリグスク、

真玉(まだま)モリグスク、

３２３

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

添(そ)えて　揃(そろ)えなさい

御肝(おぎも)の精(せじ)　遣(や)り　直(なお)せ　　　　　　

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

聞(きこ)え吾(わ)が成(な)せる人(ひと)、

鳴(と)響(よ)む吾(わ)が成(な)せる人(ひと)、

３２４

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)

これこそ　まことの　真(ま)太陽(てだ)です　　　　　　　　　　　　　　　　

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は

筑紫(つくし)剣(つるぎ)　佩(は)かれて、　　　　　　　　　　

治(て)金丸(がねまる)　差(さ)されて　　　　　　　　　　　

玉(たま)足駄(あしだ)　踏(ふ)まれて、　　　　　　　　　　　

３２５

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)　　　　　　　　　　

百島(ももしま)の　宝(たから)

積(つ)み　なされて

首里(しゅり)モリグスク、

真玉(まだま)モリグスク

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は

大船(おおふね)多(おお)く　　　　　　　　　　　　

御船(みふね)多(おお)く　押(お)し浮(う)かべ

３２６

愛(いと)しい君(きみ)、　　　　　　　　　　　　　　　　　

おもろ　すれば

世掛(よが)けは　成(な)せる人(ひと)が

按司(あんじ)　添(そ)うて　島討(しまう)ち

吾(わ)が成(な)せる人(ひと)が、　

おもろ　すれば

世掛(よが)けは

３２７

愛(いと)しい君(きみ)、　　　　　　　　　　　　　　　　

君(きみ)の頭(かしら)こそ　知(し)ります　　　　　　　　　　　　　

上下(かみしも)　添(そ)うて　　　　　　　　　　　　　　

寄(よ)り合(あ)いなさい　　　　　　　　　　　　　　

吾(わ)が成(な)せる人(ひと)、

成(な)せる人(ひと)こそ　知(し)りなさい

沖縄(おきなわ)　夏(なつ)　立(た)てば、

命(いのち)神(かみ)使(つか)い

鬼(おに)城(ぐすく)　夏(なつ)　立(た)てば、

命(いのち)神使(かみつか)い

我(わ)が親(おや)国(ぐに)　夏(なつ)　立(た)てば、

命(いのち)神使(かみつか)い

３２８

首里(しゅり)モリグスク、

愛(いと)しい君(きみ)　手(て)　摩(す)り

上下(かみしも)

押(お)し合(あ)わせて　います

真玉(まだま)モリグスク、

３２９

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

島(しま)　添(そ)うて　あります

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

聞(きこ)え按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

鳴(と)響(よ)む按(あん)司(じ)大主(おそい)は、

３３０

愛(いと)しい君(きみ)、

夏(なつ)　立(た)てば

命(いのち)神(かみ)　好(この)まれて

吾(わ)が大里(おおざと)、　　　　　　　　　　　　　　　　

夏(なつ)　立(た)てば　　　　　　　　　　

玉(たま)柄杓(ひしゃく)、　　　　　　　　　　　　　　　　

玉(たま)瓢(ひさご)、　　　　　　　　　　　　　　　

３３１

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)

上下(かみしも)の　大鳴(おおと)響(よ)み　　　　　　　　　　

下(しも)の世(よ)の主(ぬし)は、　　　　　　　　　　　

按司(あんじ)の中(なか)の按(あん)司(じ)は

３３２

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

降(お)りて　鳴(と)響(よ)め

神舞(かみま)い　競(きそ)い、

踊(おど)る　妻(つま)たち　　　　　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

降(お)りて　鳴(と)響(よ)め

神踊(かみおど)り　競(きそ)い、

舞(ま)う　妻(つま)たち　　　　　　　　　　　　　　　　　

聞(きこ)え鬼(おに)城(ぐすく)、　　　　　　　　　　　　　　　

銅添(どうぞ)え鍔(つば)、　　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む鬼(おに)城(ぐすく)、　　　　　　　　　　　　　　　

白銀(しろがね)玉(たま)纏(まき)、　　　　　　　　　　　　　

うち置(お)き　うち置(お)き　うち置(お)き、　

意地(いじ)気(き)ある　玉(たま)纏(まき)は、　　　　　　　　　　　　

玉(たま)剣(つるぎ)　うち置(お)き、　　　　　　　　　　　

精(せじ)ある　御太刀(みたち)は、　　　　　　　　　

３３３

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

首里(しゅり)モリ　降(お)りられて

神(かみ)神(がみ)こそ　浦(うら)ごとに

祈(いの)り合(あ)い　寄(よ)せよ

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

真玉(まだま)モリ　降(お)りられて

現世(いけな)君(ぎみ)　先立(さきだ)て、　　　　　　　　　　

神降(かみお)り人(び)　せきたてて　　　　　　　　

太陽(てるか)神(わ)こそ、　　　　　　　　　　　　　

世(よ)の結(むす)び　憑(つ)き降(お)ろし　　　　　　　　　　　　　

照(てる)日(し)神(の)こそ、　　　　　　　　　　　　　

君(きみ)の釘(くぎ)　差(さ)されて

首里(しゅり)モリ　親(おや)神女(のろ)、　　　　　　　　　　　　　

弱(なよ)笠(かさ)の親(おや)神女(のろ)　　　　　　　　　　　　

金(かな)モリの親(おや)神女(のろ)、　　　　　　　　　　　

御宣人(みぜりきよ)の親(おや)神女(のろ)　　　　　　　　　　　

北(にし)モリの親(おや)神女(のろ)、　　　　　　　　　　　

弱倉(なよくら)の親(おや)神女(のろ)　　　　　　　　　　　　

大船(おおふね)　通(かよ)うまで、

按司(あんじ)大主(おそい)こそ

治(おさ)められる

神(かみ)神(がみ)こそ　浦(うら)ごとに

祈(いの)り合(あ)い　寄(よ)せます

３３４

聞(きこ)え愛(いと)しい君(きみ)、

現世(うつつ)　降(お)り変(か)わり　　　　　　　　

首里(しゅり)モリ　降(お)りられて

父(ちち)なる御方(おかた)に

島(しま)が命(いのち)　差(さ)し上(あ)げよ

鳴(と)響(よ)む愛(いと)しい君(きみ)、

降(お)り人(びと)　降(お)り変(か)わり　　　　　　　

真玉(まだま)モリ　降(お)りられて

憑(つ)き女(め)　五人(ごにん)に、

末(すえ)　求(もと)め　降(お)りられて

降(お)り女(め)　五人(ごにん)に、

見守(みまも)られ　降(お)りて

父(ちち)なる御方按司(おかたあんじ)大主(おそい)、

ために　降(お)りられて

吾(わ)が愛(あい)する按司(あんじ)大主(おおぬし)、

見守(みまも)られ　降(お)りて

太陽(てる)神(かわ)が　仰(おお)せこそ、　　　　　　　　

この良(よ)き日(ひ)　降(お)りられて

３３５

百度(ももと)踏揚(ふみあがり)は、　　　　　　　　　　

昔(むかし)より　勝(まさ)り

百按司(ももあんじ)の　主(ぬし)太陽(てだ)　　　　　　　

成(な)られて

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、　　　　　　　　　　　

首里(しゅり)モリグスク、

真玉(まだま)モリグスク、

３３６

百度踏揚(ももとふみあがり)は、　　　　　　　　　　

道(みち)　開(あ)けて

金比屋(かなひや)武(ぶ)　手(て)　摩(す)り　　　　　　

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、　　　　　　　　　　　　

聞(きこ)え今帰仁(なきじん)に、　　　　　　　　　　　　　

今日(きょう)の良(よ)き日(ひ)に、

今日(きょう)の輝(かがや)く日(ひ)に、

３３７

百度踏揚(ももとふみあがり)は、　　　　　　　　　

降(お)りたいと　思(おも)い

世(よ)の幸(さち)愛(いと)しい御殿(おどの)　　　　　　　　　　　　

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、　　　　　　　　　　　　

今日(きょう)の良(よ)き日(ひ)に、

今日(きょう)の輝(かがや)く日(ひ)に、

３３８

百度踏揚(ももとふみあがり)は、

世(よ)守(まも)る　モリに

友寄(ともよせ)　造(つく)り　　　　　　　　　　

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、

首里(しゅり)モリグスク、

真玉(まだま)モリグスク、

３３９

百度踏揚(ももとふみあがり)は、

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は

踊(おど)る　清(きよ)らさ

下(しも)の世(よ)の主(ぬし)の、　　　　　　　　　

思(おも)う子(こ)の君(きみ)の

我謝(がじゃ)の浦(うら)神(がみ)は、　　　　　　　　　

沖縄(おきなわ)　音(ね)　取(と)り　　　　　　　　　　　　　

島中(しまなか)の神女(のろ)は、　　　　　　　　　　　　　　　

真顔子(まちらす)　音(ね)　取(と)り

多(おお)くの神(かみ)の、　　　　　　　　　　

沢山(たくさん)の神(かみ)の　　　　　　　　　　　

綾手(あやて)　間違(まちが)えるな、　　　　　　　　

舞(ま)い手(て)　間違(まちが)えるな

３４０

百度踏揚(ももとふみあがり)は、

太陽(てる)神(かわ)と　行(い)き合(あ)い　　　　　　　

世(よ)の貢(みつぎ)

世(よ)の納(おさ)め　差(さ)し上(あ)げよ

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、

首里(しゅり)モリグスク、

真玉(まだま)モリグスク、

３４１

百度踏揚(ももとふみあがり)は、

痛(いた)めども　愛(いと)しき

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、

３４２

百度踏揚(ももとふみあがり)は、

天地(てんち)　揺(ゆ)り動(うご)かし

天(てん)　鳴(な)らして

憑(つ)き女(め)　助(たす)け合(あ)い

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、

今日(きょう)の良(よ)き日(ひ)に、

今日(きょう)の輝(かがや)く日(ひ)に、

３４３

百度踏揚(ももとふみあがり)は、

降(お)りて　遊(あそ)ばれれば

迎(むか)え誇(ほこ)ろう

君(きみ)の踏揚(ふみあがり)は、

成(な)せる貴(たか)き人(ひと)が、　　　　　　　　　　　　　　　　　

いますこと　知(し)らぬか

３４４

聞(きこ)え君(きみ)の頭(かしら)、　　　　　　　　　　　　　　　　　　

鳴(と)響(よ)む君(きみ)の王(おう)

御島(みしま)　降(お)り直(なお)し　　　　　　　　　　　

御城内(おしろうち)の　御家(おいえ)に、

上(あ)がる　打揚(うちあがり)が　　　　　　　　　　　　　　　　

朝凪(あさなぎ)は　舞(ま)い合(あ)い、

夕凪(ゆうなぎ)は　神(かみ)あり

憑(つ)き女(め)　愛(め)でられて、

降(お)り女(め)　慈(いつく)しまれて

父(ちち)なる御方(おかた)　祈(いの)り立(た)て、　　　　　　　　　　　　　　　　　

按司(あんじ)大主(おそい)は　祈(いの)り　　　　　　　　　　

明(あ)け来(く)る年(とし)　依(よ)り降(お)りて、

直(なお)る年(とし)　依(よ)り降(お)りて

大君(おおきみ)が　持(も)て成(な)し、

精(せ)高子(だかこ)が　ふるまい

国(くに)の根(ね)は　喜(よろこ)び　　　　　　　　　　　　　　　　　　

御言(みこと)　合(あ)わせられて　　　　　　　　　　

おのこ　守(まも)られて、

兵(へい)等(ら)　養(やしな)われて

御島(みしま)　降(お)り直(なお)して