巻
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巻21 久米の二間切おもろ御さうし
1394
天御国海果国神、
真民 選びて 降りたり
百末 手 摩られ
去行国海果国神、
真島 選びて
新垣の庭に、
真民 選びて
大祖父が庭に、
1395
新垣のモリに、
弱忍は 手 摩り
芋焼 珍しがり
大祖父がモリに、
踊る 友愛、
寄って来よ 物申す
一の芋焼は、
立ち寄り 座り 待ちます
1396
君は 鬼の君、
目付け しまして
愛しい方 見ます
憑き女 五人、
天の愛しい方こそ、
1397
世寄君 若き人、
若き人 君誇
誇殿 有りなさい
思う君 若き人、
金福の若き人、
具志川の若き人、
1398
世寄君の、
新しき清き家 若き人
若き人が 見欲しく
思う君の、
新しき清き家 若き人
金福の若き人、
具志川の若き人、
1399
久米の世寄君、
踊りて 鳴響め
按司大主が御前、
貴き人が御前、
1401
天御国海果国神、
御酒 盛り盛りと
君が守り 欲しく
天上 居まして
去行国海果国神、
主が守り 欲しく
1402
聞え精君は、
鳴響む精君が
十日ごと 差し上げ
聞え按司大主は、
鳴響む按司大主が
朝明けの太陽、
上がり 照ります様に
金の御酌、
真玉の御酌
抜き上げよ 御酌、
差し上げよ 御酌
1403
精君が 祈れ、
勝る精君こそ
百度 祈りなさい
君高が 祈れ、
精高子に 祈れ、
按司大主に 祈れ、
男殿は 祈れ、
男殿は 祈れ、
1404
聞え精君が、
思いの御肝
通して 差し上げ
鳴響む精君は、
真東風風吹けば、
追手風 吹けば、
新垣の 真民に、
十尋杉 寄らせて、
1405
聞え精君は、
神 仏
今の按司大主 守れ
鳴響む精君は、
真聖地が御内に、
変わる身が御内に、
1406
聞え精君が、
鳴響む精君が
何時も 按司大主こそ います
聞え按司大主は、
鳴響む按司大主は
1407
聞え精君は、
祈り遣り いますれば
精君こそ 世は ふさわしい
鳴響む精君が、
聞え按司大主は、
鳴響む按司大主は、
1408
聞え精君が、
飽かぬ真物 見たる
島世 揃えて 差し上げよ
鳴響む精君が、
1444
久米の声忍に、
漕がせ
百浦声忍に、
漕がせ
朝凪が すれば、
夕凪が すれば、
板清丸は 押し浮かべ、
棚清丸は 押し浮かべ、
船子 選び 乗せて、
船手 選び 乗せて、
1446
明けの拵は、
名高拵が
謀り遣り
攻めつけて 鳴響め
行モリが崎に、
逢モリが崎に
金冑 着遣り、
金鎧 着遣り、
牛綾盾 取り遣り、
塗手鉾 取り遣り
板門 攻めつけて、
金門 攻めつけて
1494
聞え精君が、
十百末
按司大主こそ います
鳴響む精君が、
首里モリグスク、
真玉モリグスク、
1500
報倉が きらめき、
京の内
親拍子 差し上げよ
神女様が きらめき、
彼方国崎 走り行きて、
海果国崎 走り行きて、
金 濯ぎ しまして、
銀 濯ぎ しまして、
1501
吾が父は、
如何に 居ます 珍しさ
神座 居て
天降り遊び します
寄清丸こそ、
寄満丸こそ 好みます
吾が父が、
吉日 想うまでは
吾が父が、
時 取りますまでは
1502
おとこ等が 持て成し、
寄り上げモリ 降りられて
「デ」 吾 吾 神座までも 鳴響め
弱倉は、
鈴鳴丸は 持て成して
父が酒、
親が酒の 好み
百甕は、
八十甕は 据えて
青の天の、
玉簾 巻き上げて
京の内の、
糸簾 巻き上げて
弱倉が 仰せこそ、
由良長を 降ろしました