巻
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巻20 米須おもろの御さうし
1331
米須世の主の、
君倉よ
君倉こそ
按司 栄えよ
真物世の主の、
1332
石原平らグスク、
良き平らグスク
神太陽の
守りますグスク
石原世の主の、
造りたる御グスク
軍 寄せるまい、
敵 寄せるまい
1333
世玉子の おもろ、
御顔 愛しさ
末 長く
世 持ちなさい
石原世の主の、
真物世の主の
1334
摩文仁石グスク、
摩文仁金グスク
天頂は 四阿に
黒革の鎧 輝かせ、
糸縅と 見なし
1335
波比良 在る御太刀、
根国 在る剣
世守る御太刀 「エ」
真玉こそ 照ります
福地 在る御太刀、
根国 在る御太刀
1336
波比良モリグスク、
石橋は 好み
良揚神こそ
手 摩り 栄えなさい
根国モリグスク、
1337
山内太郎兄部、
良き太郎兄部
御顔 頬垂れが 清らさ
今日の良き日に、
今日の輝く日に
山城 います、
意地気清らかな按司の
1338
山内太郎兄部、
良き太郎兄部
百度 います 御殿
島寄は 造り、
里寄は 造り
1339
山内太郎兄部、
良き太郎兄部
一の踊り人 手 摩り
今日の良き日に、
今日の輝く日に
月は 枕 しまして、
太陽は 後ろ盾 しまして
1340
山内太郎兄部、
良き太郎兄部
百島 引き寄せる鷲
今日の良き日に、
今日の輝く日に
1341
山内太郎兄部、
良き太郎兄部
綾踊り 珍しき踊りが 見物
山城 います、
意地気清らかな按司の
君良が 下に、
世誇が 前に
1342
山内太郎兄部、
良かる太郎兄部
弟 行き合いしまして
十百度の お誇りしまして
今日の良き日に、
今日の輝く日に
父川に いまして、
雲清水 いまして
1343
山内子、
兄部子
打ち寄せよ 掻き寄せよ
兼城、
我が親国
1344
山内子が、
兄部子が おもろ
揚がる望月
君の 清らさ
福地 います、
根国 います 世の主
1345
山内様が、
兄部子が おもろ
西貢 寄せて
又 良く 勝る 東貢
前 寄せて あります
福地 います、
根国 います 世の主
1346
山城、
貴き清きモリに
国寄 造れる 清らさ
ますごとに、
去れ来よ して 見れば
赤口が、
火の神が 依り憑き
1347
山内太郎兄部、
良き太郎兄部
親思い
子思い しまして
「エ ケ」 誇ろう
大里の按司と、
上江洲世の主と
1348
山城貴き人、
待世こそ 削り
石な子 削りたる 清らさ
石斧 好み、
金斧 好み
1349
山城貴き人、
神 衆生 揃い 喜び
一の踊り人が、
1351
聞え上里に、
待ち望む祝詞
鳴響む上里に、
1352
聞え上里に、
八千代 見つめ按司
鳴響む上里に、
1353
真壁太郎思、
笑顔に 輝き
御顔 並び
大里の按司よ、
桜色の按司よ
1354
真壁 います、
根国 います 世の主
百島 島 討ちて 和ませよ
真壁人 選びまして、
御役人 選びまして、
那覇港、
橋 渡して 道 渡して
那覇 渡り、
稲の嶺 とどまりなさい
1355
聞え大里に、
砂鉄 玉は 寄りなさい
鳴響む大里に、
1356
聞え大里に、
聞え筑紫剣
取り遣り 栄えなさい
鳴響む大里に、
鳴響む筑紫剣、
1357
大里の按司の、
太陽清らかな按司の
御愛し按司
桜色の按司よ、
真玉色の按司よ
1358
飽かぬ君大主は、
見飽かぬ寄りモリに
上下 揃え 差し上げよ
聞え大里に、
鳴響む大里に、
1359
聞え大里に、
三連の玉
百連れ 貫きて
持って 差し上げよ
鳴響む大里に、
後ろ盾 夏籠、
1360
聞え大里に、
見物する 遊び
鳴響めば 見るが 勝り
鳴響む大里に、
十百人が 中に、
八百人は 選び
1361
大里の役人の思い按司、
神太陽よ
円座 し遣り います
島尻の役人の、
1362
大里の鳴響みモリグスク、
世掛け鷲 捕られて 勝り
差笠が、
君の按司の 金鳥
中空の上、
雲居の上 舞う鳥
1363
大里は 神酒国、
「エ ケ」 世 添うて あります
大里の酒国、
1364
兼城神女の、
守ります弟勝
畏れて
大和軍 寄せれば
国金の神女の、
1365
我那覇 鳴響み、
御馬 鷲毛
鷹羽根の槍 栄えなさい
浦崎に 鳴響み、
1366
我那覇モリ、
鳴響みモリグスク
弱宣人
里ごとに おどけを 言い
赤い毬、
玉の毬 落としたら
盗み猫が、
隠れ猫が 盗んだ
1367
清き根茎、
良き根茎
清らさ 誇れ
我那覇御役人、
鳴響み御役人
明貝の浜崎、
幕 引き遣り、
蚊帳 下げて
按司は 使い、
按司は 使い
1368
浦崎の平良に、
鼓 打って 遊べば
上の子 平良子さえも
崎枝の平良に、
1369
北の世の主、
大嶺の 使い
喜び 輝きなさい
今日の良き日に、
今日の輝く日に、
1370
大伝手の おもろ、
島踊りは 勝り
隠し金 見たる
太郎子思の おもろ、
真聖地に いまして、
1371
屋良座大司、
吾がおとこ 見守り
神座まで 鳴響み
屋良座若司、
精軍 押し発てば、
勇軍 押し発てば、